なってないですよ
「Valu騒動」をめぐるYouTuberヒカルさんの釈明インタビューを掲載した「AERA dot.」。一読して唖然としました。朝日新聞出版が運営するサイトのようですが、何を考えているのでしょう。メディアの基本姿勢がまるでなっていません。先ごろ、このブログでこの件に関連してしょうもない所感を述べたことがありました。炎上ってすごいなあという素朴な感想を書いただけ。再び何か書くことになろうとは思ってもいませんでしたが、驚きのあまり、ちょっと書いてみるかという気持ちが頭をもたげてしまいました。
あらかじめ断っておきますが、騒動の内容等の是非などに触れるつもりはありません。「AERA dot」の姿勢について気になったことを述べるだけです。
スポンサーリンク
当該のインタビューはこちらです。
AERA dot.
人気YouTuberヒカルが懺悔 「甘くみていました」
https://dot.asahi.com/dot/2017090200042.html
読者不在?
どうでしょう?単に言い訳の場を与えたに過ぎないという読後感が押し寄せてきませんか?都合のいい主張に疑問を投げつけることもなく、釈明を続けさせ、「反省している」という印象を強調していく構成となっているようです。これだけの騒動になり多くの批判を集めた問題、しかも進行中の状況で取り上げるなら「両論併記」のスタンスを取るべきではないでしょうか。彼の言い分だけでなく、彼の取った行動の問題点などを指摘している人物の主張も併載する。そうすることで読者は騒動の問題点をいろんな観点から考えることができるようになるのではないでしょうか?
他の記事は知りませんが、このインタビューに関して「AERA dot.」は、読者のことを考えて掲載したとは思えません。誰のために書くのか、誰のために記事を載せるのかというライター、記者、メディアにとって最も大切な意識が欠落していると指摘するほかありません。
言い分を垂れ流すだけ?
インタビュアーの反応も生ぬるい。例えば、ヒカルさんは反省点について「知識がない分野に安易に足を踏み入れてしまったことです。そして自分の影響力の大きさを甘く見ていたこと」と述べています。知識がない分野?知識がなくて、あんなことはできません。仮に知識がなかったならば「入れ知恵」した人物が周囲にいたのではないか。それぐらいの疑問は素人読者にだってすぐ思い浮かびますが、そういう指摘をして食い下がるわけでもない。利益を得るためではなかったという主張や、ツイッターなどの投稿経緯についての説明をめぐるやり取りも同様です。インタビュアーは「そうした経緯が事実だったとしても、やはりヒカルさんはVALUで利益を得ようとしていたと感じる人もいると思います。その疑惑が晴れる日はこないかもしれません」と述べていますが、これは「読んだ人は信じないかもしれませんよ」という感想に過ぎず、ヒカルさんがその場で述べる以上のことを聞き出そうという意思は感じられません。
このインタビュアーは果たして彼が述べた内容について何も疑問を抱かなかったのでしょうか?だとすれば、この人は取材者として「不適格」との誹りを免れないかもしれません。
「誰のために」を忘れないで!
結局、ほとんどの読者には「消化不良」という印象が残るだけでしょう。なぜこんな読者不在のインタビューを載せたのか。「渦中のヒカルが初めてメディアの取材に応じた」と書いているように話題を集めたかったのか。ヒカルさんに釈明の場を与えたかったのか。何を目的に取材を申し込んだのか。単に「メリットが一致したからではないか」との疑念すら招きかねない手法ではないでしょうか。いずれにしても、こんなインタビューを載せれば、かえってヒカルさんへの反感が募ることもあり得るし、「AERA dot.」の信頼性も揺らぐだけでしょう。どういう反響を呼ぶか。きっと、そういう想像力も持ち合わせていないのでしょうね。「自殺行為?もうとっくに死んでいる」「今さらメディアに期待する方がおかしい」との指摘を受けそうですが、どんなメディアであれ、それに関わる人には「読者のために」という意識を心のどこかに持ち続けていてほしいなと思うのです。とまあ、思いつくままに偉そうに綴ってみました。お付き合いありがとうございました。
おまけ。今回のインタビューまでの間に「AERA dot.」は、この騒動の問題点を指摘する記事を掲載したのか。インタビュアーは問題点を探るような取材をしたのかどうか。サイト内の検索機能で見つけられませんでしたが、あったら今回のインタビューと合わせて読んでみたいですね。
「待たせたな!明日、一気にバリューで動く!」
「明日、VALUで大きく動く!」
ヒカルさんは8月14日、にこんな発言を公にしたそうです。そして8月15日にヒカルさんや仲間が所属するNextstage関係者、ヒカルさんたちは所有株を売却しました。
その8月15日。「AERA dot.」は、こんなインタビューを掲載していました。「構成」は今回と同じ人です。
「AERA dot.」
カリスマYouTuberヒカルの年収は”自称”5億円 「日本一にふさわしいのはぼく」
https://dot.asahi.com/dot/2017081500013.html
スポンサーリンク